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4月、桜が咲く頃
皇国では例年通り入学式が行われようとしていた
その日の朝
「おい仁!!」
朝早く来すぎて屋上で寝ていた仁を古河が呼ぶ
「…ねみぃな、クソ。なんか用かよ」
仁が不機嫌そうに言う
「なんか用かじゃねぇだろ、入学式もう始まんぞ、俺らはいざってときの見張り任されてんだろ」
古河が呆れた顔で言う
「あぁ…そういえば…。
でも入学式で火野さんに危害およばす奴なんざいねぇだろ」
仁が笑って言う
「馬鹿、お前みたいな奴がいるかもしんねぇだろ」
古河が笑って言う
「うるせぇ。しゃあねぇ、んじゃ行くか」
そう言うと仁は起き上がり、体育館へ向かって行った
仁は神谷にもらった神谷の先代の学ランを着ていた。
神谷がある理由から着れなかった学ラン、それにはこの町でどんな意味を及ぼすのか、仁は何も知らなかった
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