氷室の思い

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【仁義】と【神威】連合がグラウンドで向かい合う そして赤沢がガラス瓶を天高く放り投げ 地面に落ちて割れ、その瞬間戦争の火蓋が切って落とされた 数が数であり、まさに大乱闘。敵も味方もわけがわからない状況だった そんな中仁たち一年4人は真木から大切な指示を受けていた それは乱闘に大群を使っている間に手薄になった【神威】のたまり場であるプールに行き、氷室に奇襲をかけることである 仁たち4人とその舎弟数人はひたすらプールに向かって走った 四天王や火野たちもグラウンドで乱闘をしていた そして火野は一人の男と対峙していた 「おい、原田。徳川さんはこのことを知ってんのか」 原田とは一ツ橋高の二年であり、今回の戦争の一ツ橋高のトップであった 「うるせぇ!徳川さんがいつまでたっても動かねぇからだ。俺たちが【仁義】も潰してそれから【神威】も潰してやんだよ!!」 「このどアホが…」 火野はつぶやく、火野はわかっていた。原田は氷室を利用しているつもりだが氷室が原田を利用しているだけであり潰されるのは原田たちであることを。 そこらへんのことに関して氷室は抜かりない男だった、それをわかっていたから徳川は動かなかったことも火野はわかっていた 原田が右拳を振るう、しかし火野はかわし、顎に掌底一発で気絶させた 火野は周りを見る、こちらの方が数は少ないものの【仁義】の優勢だった、【神威】はともかく一ツ橋高の面々は暴れ足りない者、皇国に不満があるなど意志がバラバラで統率が取れていなかった だが数は多く、まだまだ時間がかかりそうだった 『仁たちは上手くやっているだろうか』 火野は思った
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