73人が本棚に入れています
本棚に追加
その頃屋上では、既に氷室と鬼が対峙していた
「そういやお前とタイマン張んのは初めてだな…できれば万全のお前をぶっ飛ばしたかったよ」
氷室が言う
「ほざけ、てめぇなんぞこの状態でもおつりがくるわ」
鬼がそう返し、二人は構えた
勝負はすさまじいものだった
三年トップクラスのタイマン…しかし鬼は怪我の影響もあり顎に肘をくらい、ひざをついた
そしてボールを蹴るように氷室が鬼の顔面を蹴り上げ、鬼は倒れた
その瞬間、屋上へ続く扉が開いた
息を切らした仁が屋上に入ってくる
仁は「鬼さん!!」と言い、鬼に駆け寄った
「氷室……てめぇよくも」
仁は怒っていた、その声は怒りで震えていた
氷室は何も答えず屋上からグラウンドの乱闘を見下ろした
明らかな【神威】の劣勢、敗北は時間の問題だった
「やっぱりか…」
そう氷室はつぶやき仁を見た
「さぁ仁、構えろよ、やろうぜ」
そう言った氷室はなかなかボロボロだった、しかしその疲れを感じさせない堂々とした佇まいだった
「氷室さん、なんで今回こんな戦いを仕掛けたんですか?あんたみたいに賢い人ならこうなることくらいわかったでしょう」
仁が言う
「俺に勝てたら教えてやるよ…」
そう言い、氷室はにやりと笑い、構えた
最初のコメントを投稿しよう!