氷室の思い

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その頃屋上では、既に氷室と鬼が対峙していた 「そういやお前とタイマン張んのは初めてだな…できれば万全のお前をぶっ飛ばしたかったよ」 氷室が言う 「ほざけ、てめぇなんぞこの状態でもおつりがくるわ」 鬼がそう返し、二人は構えた 勝負はすさまじいものだった 三年トップクラスのタイマン…しかし鬼は怪我の影響もあり顎に肘をくらい、ひざをついた そしてボールを蹴るように氷室が鬼の顔面を蹴り上げ、鬼は倒れた その瞬間、屋上へ続く扉が開いた 息を切らした仁が屋上に入ってくる 仁は「鬼さん!!」と言い、鬼に駆け寄った 「氷室……てめぇよくも」 仁は怒っていた、その声は怒りで震えていた 氷室は何も答えず屋上からグラウンドの乱闘を見下ろした 明らかな【神威】の劣勢、敗北は時間の問題だった 「やっぱりか…」 そう氷室はつぶやき仁を見た 「さぁ仁、構えろよ、やろうぜ」 そう言った氷室はなかなかボロボロだった、しかしその疲れを感じさせない堂々とした佇まいだった 「氷室さん、なんで今回こんな戦いを仕掛けたんですか?あんたみたいに賢い人ならこうなることくらいわかったでしょう」 仁が言う 「俺に勝てたら教えてやるよ…」 そう言い、氷室はにやりと笑い、構えた
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