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何が起きているのかはすぐに予想出来た。
如月は、少しでもここから離れるため、勢いよく走り出した。
「あ、てめ、待ちやがれ!」
とっさに人気の少ない路地へと逃げこんだが、これは間違いだ。
どうせならこの人混みを利用して逃げるべきだった。
「・・・だ、誰か!」
如月は体力があまりない方だ。息は乱れ、その声は消えそうなくらい弱かった。
すると、その声に答えるかのように如月の手を誰かが握った。
「え?」
そして、思いっきり引っ張られた。
「こっちに逃げて!」
青年だった。
如月は言われるがまま、青年に手をひかれるように道を走った。
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