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ダイニングにつけば、よく見知った後姿が見える。
その人物は、長い髪を後ろに流し、こちらに背を向け朝食作りに励んでいるようである。
「よぉ、ジン。おはよ。」
挨拶をすれば、フライパンを持ったまま天翔の旧友であるジンと呼ばれた青年がこちらを振り向く。
「お前か。珍しく早いな。」
長い睫毛に縁取られた眼を天翔に向けるのは、
美麗な容貌と声を併せ持つ女性モデル顔負けの男。
本名をセレという。
ジンは天翔が呼ぶあだ名だ。
「まぁな。今日の飯何?」
傍へと歩み寄りながら話しかけると、青年はフライパンに視線を戻しながら答える。
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