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日焼けなんて縁の無さそうな白い肌。
すっと通った鼻筋、薄い唇。二重の目。
彼は男子にしては随分、ていうか羨ましいくらい綺麗な見た目をしている。
しばらくボーッと見とれていると、ふいに大倉君がこっちを見上げた。
「……あ」
「…………」
とっさに目を反らすどころか、間抜けな声を出して固まってしまった私。
無表情の、大倉君。
「……何? 仲谷さん」
「え? あ、そのー」
ど、どうしよう。
地味に焦る私の視界に入ったのは、大倉君の向こうの窓。
この教室の窓際の席からは、座っていても隣の号館の屋上庭園が見える。
「う、ううん。外見てた!」
「……へー?」
あれ?
必死の言い訳をするも、大倉君は私の意に反して愉快そうににやりと口角を上げ、そのまま黒板の方に顔を戻した。
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