1.王子様

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日焼けなんて縁の無さそうな白い肌。 すっと通った鼻筋、薄い唇。二重の目。 彼は男子にしては随分、ていうか羨ましいくらい綺麗な見た目をしている。 しばらくボーッと見とれていると、ふいに大倉君がこっちを見上げた。 「……あ」 「…………」 とっさに目を反らすどころか、間抜けな声を出して固まってしまった私。 無表情の、大倉君。 「……何? 仲谷さん」 「え? あ、そのー」 ど、どうしよう。 地味に焦る私の視界に入ったのは、大倉君の向こうの窓。 この教室の窓際の席からは、座っていても隣の号館の屋上庭園が見える。 「う、ううん。外見てた!」 「……へー?」 あれ? 必死の言い訳をするも、大倉君は私の意に反して愉快そうににやりと口角を上げ、そのまま黒板の方に顔を戻した。
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