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な、何よ。
上手く誤魔せたとは思ってないけど、笑われるとなんだか悔しい。
「べ、別に大倉君のこと見てたわけじゃないからっ」
「ん。分かってるよ」
そう言いながらも頬杖をついた拳の下の口元がわずかに笑っている。
む……ムカつく。
「じゃあ笑わないでよ……」
「笑ってないって」
その口元が笑ってるんだってば!
「……っだから!」
ダン! と机に手のひらを勢いよく打ち付けて立ち上がったところで、教室内の視線という視線が自分に集まってることに気付く。
白いチョークが先生の手から離れ、コンッと音をたてて床に落ちた。
数秒間の沈黙。
自分でもわかるくらい一気に頬がかぁっと熱くなっていく。
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