1.王子様

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「な、仲谷……静かにしろっていってるだろうが……」 「……はい」 教室に小さく笑いが起こる。 は、恥ずかしい……! 今、先生が呆れた顔で私をみているのかと思うと前が見れない。 私はジンジンする手のひらで椅子をひいて、大人しく座るしかなかった。 「うー……」 怨みを込めた目で隣を見ると、大倉君が手の平で口を押さえ、声を押し殺して笑っていた。 「っは…………くっくっく」 「……っ!!」 く、悔しい。 悔しい悔しい悔しい悔しいー!! 大倉君はなんか……なんていうか、いい人だと思ってたのに! まだ笑い続けている大倉君をおもいっきり睨んで、消しゴムを投げ付けた。 「えいっ」 「……って」 お? 命中。
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