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因みに今、隣の席には大倉君はいない。友達に誘われてどこかへ行ってしまったから。
大方、昼御飯でも食べに行ったんだろうと思う。
やっぱりイケメンの友達はイケメンなのだろうか。
桜子によると、大倉君とその男の子がこのクラスのイケメンツートップ、らしい。
類は友を呼ぶ、みたいな?
えーっと名前は……なんだっけ。
大倉君に「尋貴」って呼ばれてるから下の名前は尋貴なんだろうけど、名字がどうしても思い出せない。
うーん……?
「ね、ね! 結局なんだったの? 喧嘩してたの? キャー、お近づきフラグー!」
離れかけてた意識が、桜子の声でぐいっと引き戻される。
危ない危ない。
「お、大袈裟だよ桜子。喧嘩ってほどでもないし」
ていうかお近づきフラグってなんだ。
最近覚えたフラグって言葉を使いたいだけだろうか。
多分死亡フラグとか、そういう類いのアレだ。
「大袈裟にもなるわよ! はー、ただでさえ大倉君と隣の席で羨ましいっていうのに、それに加えてあの王子様とお話ができたなんて……!」
「おーい、どこみてんの? そこになんかあんの?」
末期みたい。
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