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砕原 柊斗 『さいはら しゅうと』
扉を開ける。
その向こうにはまさに春、を感じさせる桜が、春風が、花が、俺を迎えてくれた。
今日でもう休みは終わり。
始業式がこれから始まろうとしていた。
「すーー……はぁぁーーー……」
この春の香りを胸いっぱいに詰め込むくらいの気持ちで深呼吸する。
そうだ。今日から新しい一歩目が始まるんだ。今日からまた、始まるんだ。
俺、砕原 柊斗の高校二年生としての人生が……
あぁ、そうだ。
その場で踵を返し、家に向かって一言置いていこう。
「行ってきまーす!」
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