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「いやだ、そんな私は怒ったりなんて
めったにしませんよ、ね?暦」
あぁ、久しぶりに名前呼ばれた
いつもはおいとかおまえとかだし
「………はい」
「…それじゃあ失礼しますね」
お兄さんはペコっと軽く会釈をし
車にのり帰って行った
玄関に入ると母の態度は一変し
俺を後ろから蹴飛ばした
「っ……」
「あんた喋ってないでしょうね」
「………」
「何無視してんのよ
お母さんが聞いてるのよ答えなさい!!」
母は俺のお腹めがけて
何回も蹴りをいれてくる
「かはっ…っ、や、やめ」
お腹が痛い
お腹の痣がまた酷くなる
「何怒ってるんだ母さん」
リビングから顔を出してきたのは
義理の父親
「この子が警察に
何も言ってないか聞いてるのに
返事をしないから」
「それは悪い子だな
お仕置きしないとな」
そういって父親は
僕の腕に煙草を押し付けてきた
「~ッ」
自然に目から涙落ちる
痛いよ苦しいよ
いっそ殺してよ
そう思った時
ピンポーンとインターホンが鳴ったら
母さん達は少し驚いた顔をし
俺をリビングに押し入れ
玄関を開けた
「どちらさまで…あっ
さっきの警察官さん」
警察官?
さっきのお兄さんかな?
お兄さん何で来たんだろ?
何か用事かな?でも…
今はそれどころじゃない
腕痛いしお腹痛いし
涙は溢れたまま止まらない
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