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「ったりまえだろ!
余裕で歩けるっつの」
「ふーん、そう
じゃあ行こっか暦君」
あー何で俺はこう
意地っ張りなんだろ
立ってるだけで精一杯なのに
歩いて帰れるわけねぇじゃんか
「何してるの?
置いてくよ暦君」
「……………ない」
「ん?ごめんね
聞き取れなかったから
もう一度言ってくれるかな?」ニコ
「……歩けない」
「うん、だからなに?」
「~ッ
………連れ、てって」
「クス、喜んで」
お兄さんは俺の前に
しゃがみこんだ
乗れってことだよな?
お兄さんの背中に乗っかり
首に手を回した
「動くからね」
「んー」
お兄さんは立ち上がり
歩き始めた
うわあたっけぇ!!
お兄さんの視線から見ると
こんなんなんだ
俺が見てる視界と
お兄さんが見てる視界って
こんなにちげぇんだなぁ
「お兄さん」
「んー?」
「重くない?」
「重い所か軽すぎだよ暦君
もうちょっと太ろうね」
最近碌に食べてなかったしかな?
てかご飯用意されてなかったし
「お兄さんって
面倒見よすぎだよね
お人好しっていうかさ…」
「そうかな?
同僚には冷たいとか
言われてるよ?」
冷たい?
このお兄さんが?
馬鹿が付くくらい
お人好しで優しい人だと
思うけどなあ
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