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「だめ、君何歳?」
「18だよ
…なんか文句あっか!?」
確かに身長も凄く低い
だからって18って聞いて
んな顔しなくてもいいだろ!
「あ、いやごめんね」
「…別にいいから離せよ」
「もっと離せないよ
お家何処なの?」
……家?
「……家なんてない」
「家出したの?」
「家出じゃねぇよ」
「家出じゃないなら
お家帰れるよね?」
「………わかった
帰るから離して」
「送るよ
これも職務だからね」
警察のお兄さんは
営業スマイルか知らないけど
俺に微笑みかけてきた
「……いい
帰れるから離せ」
俺は力いっぱいお兄さんの手を
振りほどき走って逃げた
「ハァハァハァ、ッハァ
何処に帰れってんだよ」
公園のベンチに座り
体育座りをし膝におでこをつけた
頭の上から冷たい雨が降り注ぐ
"あんたなんて生まなきゃよかった"
"何であんた生きてんの?"
"あんた邪魔なのよ"
ふとさっき母親に
言われた事が頭に過る
ふっ…言われ慣れたって言ったら慣れた
殴られるのも慣れた
なのに何で胸が痛むのかな?
俺を必要としてほしい
俺を愛してほしい
そう思う事は許されない事なの?
誰も俺を必要としてくれない?
何で俺って生きてんだろ?
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