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「…聞いてどうすんの?」
「ん?どうもしないよ」
「………北條」
「北條暦君?」
俺はコクンと頷いた
「じゃあ……暦君って
呼んだらいいかな?」
「何でもいい」
「じゃあ暦君
話を聞きたいから一緒に
交番行こう?」
「話ならここでもいいだろ」
「雨降ってるし
それ以上濡れたら風邪ひくよ?」
「俺が風邪ひこうがひかないが
お前に関係ないだろ?」
「そんな事ないよ?
ほら、一緒に行こう?」
「……わかった」
俺がそお言うとお兄さんは
ニッコリ笑い俺の手を握った
「おい、手離せよ」
「迷子になったら
困っちゃうから」
「迷子になんてなんねぇよ!!」
ここは俺の家の近くだし
迷子になんかなるわけがねぇだろ!
「大人しく繋がれてなさい」
あー俺は子供じゃねぇ!!!
暫く歩くと
一つの交番が見えてきた
お兄さんは中に入り
タオルを俺の頭に被せ
わしゃわしゃと拭いてきた
「やーめーろー!!
んな事自分で出来る!」
手で邪魔してみるも
お兄さんには効果はない
「暦君服を脱いでくれる?
雨でびちゃびちゃで気持ち悪いでしょ?」
「いい、平気」
脱いだらばれちゃう
身体のいたる所にある
タバコの跡と殴られた跡に
切られた跡
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