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「…ちげぇよ」
「暦君」
「違うっつてんだろ?
俺帰るから」
俺はソファから立ち上がった
そのまま出ていこうとすると
お兄さんが俺の腕を掴んだ
「わかったよ、それなら
家まで送るから車乗ってくれる?」
俺は大人しく車に乗った
結局の所俺の帰る場所は
帰っちゃいけない場所なんだ
帰ったら怒られるのかな
うん、きっと怒られる
「着いたよ暦君」
車は家の前で止まった
車のドアを開け外に出た
雨少し止んだなあ
「ありがとお巡りさん
服明日辺りに返すから」
それだけ言って
俺は玄関のチャイムを押した
ふと横をみると
お兄さんがいつのまにか立っていた
ニッコリ笑いながら
「何で送ってきたか
説明しなきゃでしょ?」
そう言ってきた
「………それも仕事?」
「そうだよ」
暫くすると
玄関がガチャッと開いた
母は見た目暴力や罵声を
浴びせるような人には見えない
優しそうで大人しそうな容姿
「…警察が何かご用ですか?
もしかしてうちの子がなにか!?」
母は見るからに心配してます
オーラ全開だ
「いえ、繁華街を歩いていたので
夜も遅いですし保護しただけですので
あまりお子さんを怒らずに」
お兄さんはそう言うとニッコリ笑った
母は安心しました的な表情を
浮かべているが腹で何を思ってるか
わからない
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