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銃撃によって切断されてから十二秒後、白蛇は再生した。
欠損した部分は、粘液が固まって、まるでホース自体が再生したように見える。専門学校を出て入社したばかりの宇田春香が拍手をすると、隣に立っていた姉の夏樹がそれを止めた。
「ここまでは何度も成功しているの。問題はこの後」──夏樹は妹に囁いた。
まったくその通り、と、すでに耳栓を外していた滝沢はうなずく。そして大きく深呼吸してからマイクに向かって──
「ピース」
思わず目を閉じる。背後から同僚たちの拍手と歓声が上がる。
(やった──)
目を開き、何事もなかったかのように「チョキ」を出しているユンデに、滝沢は微笑んだ。
(ヴィクトリーにすれば良かったかな)
「やったな、滝沢」
宗田が背後から肩を叩きながら言った。
「はい」
「プレゼンは乗り切れそうか?」
「大丈夫です。同じロットがまだ沢山ありますから。高千穂さん、驚きますよ」
週明けに、高千穂光学の社長が見学に来る予定になっていた。
社長の高千穂晃は、四年前に資金難に陥り、解散寸前だったこの会社──当時はスサノオ・インダストリーだった──を買い取り、潤沢な研究資金を提供してくれた恩人だった。
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