誕生日

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彼女は唇をかみ締めて、それから言ったのだ。 『私を殺して』 体内の爆発物が発動すれば街にまで被害がでる、最後にまで人を傷つけたくないからと。 『貴方を傷つけるのも分かってる。頼むのは貴方に罪をきせることって。 でも、最後に、貴方の側で貴方の手で去りたいの。 だからお願い。』 そういって笑う彼女を強く抱き締めた。 『愛してる。貴方に逢えたこと、後悔なんかしないわ。 だから、貴方もよ?私はここでいなくなっても、自分を責めないで。ありがとう、さよなら・・。』 そういって最後に笑った彼女に、自分は持っていた刃を彼女に向け、そして――…
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