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「お、お邪魔します・・。」
「そこらへんに座ってて下さい。」
戸惑いながら入室すると直樹はすぐにお茶の準備を始めたようだった。
なんとなく落ち着かず正座で待つこと3分、コーヒーを淹れたマグカップを二つ持って直樹が戻ってくる。
「はい、どうぞ。インスタントですけど。」
熱めに淹れられたそれに冷え切った手を温める為だと気付く。
「ありがとうございます…。頂きます。」
そっと一口啜るとミルクの沢山入ったほんのり甘いコーヒーの味。
ほっと息をつけば少し肩の力が抜けたようだった。
正面に腰を下ろした直樹は、セレの様子を見ながら言った。
「…少しは元気でました?」
その言葉にあやうくマグカップを落としそうになる。
慌ててカップを持ち直すセレには気付かず、直樹が言う。
「笑ってるのに痛そうな顔、してたから・・。」
「・・・そんな顔、してましたか。」
「はい。その…上手く言えないんですけど、なんだか元気ないのかなって思って・・。」
「・・・そう、かもしれません。」
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