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《寒中見舞い》
明日は雪になるそうです
道理で今宵はよく冷えます
一人毛布で凌ぐには
少々過ぎた さむさです
こんなつめたい夜にしか
貴方を思い出せぬのは
きっと貴方の二の腕が
あたたか過ぎた所為でしょう
電球一つ分の熱量
それだけしかなくとも
なにものにも代えがたかった
ぬくもりが
こんな夜にはこいしいのですが
此処に貴方はいないのだし
求めて得られるものでもないし
こんなつめたい夜にしか
思い出せない事々を
掻き熾こしてはみるのですが
わたしは凍えたままなのです
明日は雪になる筈です
沢山積るといいのです
貴方に会えるわけじゃなし
二度と帰って来るじゃなし
電気ストーブ点けたとて
決して温まらない指先を
ひたすらひたすら
擦り合わせ
過ごすよりほか 無いのです
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