恋愛起源説

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《印度猫》 銃をください 自由をください 猫をころせる すべをください みんなしにました 君が誰一人選ばなかったから 否 君は誰をも選ばないから もう何も考えられません みんなしにました 渇望と切望と 羨望、失意と絶望で 踏みにじる僕の靴底で 踏みしだかれる君の肢 僕を見上げる猫の目は 満月にも似た真円で あいしているから あいしてちょうだい あいしているから いっしょにしのう そんな言葉に嘔吐する 命乞いもせずひたすらに とどめをさせる 銃をください 誰もあいさぬ 自由をください 振り向かぬ 猫をころせる 勇気をください
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