瓶詰紙片展示会

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《装身具譚》 *ゆびわ* からになったくすり指が 余りに軽く移ろいそうで 誓う行為の其のように 白い糸できりきりと巻く 絞首刑 いつしか血が通わずに ぽとり。 おちるがいい *ぴあす* ひとつめは弱かったわたしの為に ふたつめはあなたへの執着の為に みっつめは生れなかった子の為に ――――此れはみっつの墓標です *うでわ* しゃらりとかそけき音ならし わたしはおどる くるくると うで振るたびにしゃんとなり あし踏むたびにしゃんとなる すずの音鳴らして身をあかし ねだんが付くのを待ってゐる
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