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《決別》
君のこえ
君のかみ
君のゆび
君のふく
はなれないから
わたしは独り 針を呑む
階段三つ上がった先から
薄笑いで見下ろして
冗談めかして伸べてくる
其の手を撃てない弱さを憎む
わたしは銃に弾を込めても
君のうえ
君のやみ
君のくび
君のどく
きえてかないから
わたしは独り 爪をとぐ
思い出せるのはひくい嘲笑と
あやふやな攻防と
見逃された事実と
もう次はない焦燥と
わたしは静かに牙みがく
君に抱かれにゆく前に
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