いざ! お願い!

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━大金持ちになれますように━ 「いや、俺に金くれよ」 ぐしゃりと紙を握り潰し神様は言う。 「貴方は仮にも神なんですからそんな事言わないで下さい」 透かさず天使はツッコミを入れる。 半ば自棄になりながらも神様は次の紙を開ける。 ━あふん━ 「擬音?」 意味のわからない願い事に神様は眉を顰める。 「相変わらず変なのばっかですね」 神様の複雑な顔を見ながら天使は言う。 「てか、一々一言五月蝿い」 神様はジトーッと天使を見た。 「黙っておけない質ですからね」 神様にツッコミ続けてる天使は完全に開き直ってる。 「人間はこうだから嫌なんだよ」 まだまだどっさりとある願い事を見ながら神様は大きなため息をついた。 そして神様は改めて紙を開いた。 ━何か適当に叶えて下さい━ 「天使! 早急にエターナルソードを持ってこい!」 あまりにも適当過ぎる願い事に堪忍袋の緒が切れた神様は怒鳴る。 「全てを切り刻み運命まで切り刻んでしまう神様しか使えない剣ですね!」 驚いた天使は説明しながら黄金に輝く剣を神様に渡した。 「説明ありがとう! 切り刻んでやる!」 神様は剣を受け取り天高く掲げた。 「もちつけ! ……じゃなくて落ち着け! すかたん!」 神様が剣を使おうとした瞬間、我に返った天使は咄嗟に神様を止めた。 「……先に君を切り刻む必要がありそうだな」 天使に制止された神様はゆっくりと剣をおろし、天使をギロリと睨みつけた。 「すみません」 睨まれた天使はさすがにまずいなと思い謝った。 神様は天使が反省したのを確認し、次の紙を開いた。 ━皆が幸せになれますように……━ 紙を開いて内容を見た神様の顔色が変わった。 「おい、天使。 これみてみぃ」 神様は内容の書かれた紙を天使に見せた。 「また有り触れたもんチョイスしたな、アホ」 紙を見た天使は神様をバカにする。
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