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平助は、少し驚いたような顔をして私を下から上へ...上から下へと視線を動かす。
「チビ...お前...」
「な、何?私の顔に何か付いてんの?」
目を見開いて私を見つめる平助を見ていると不安が襲ってくる。
私、何か悪いことしただろうか?
だけど、そんな驚いた顔をするなんて...。
「あら?琥珀さん」
「あ...菫さん」
私が平助を見つめて試行錯誤する中、この屯所で唯一の女中、黒田 菫(クロダ スミレ)さんがヒョッコリと平助の後ろから顔を出した。
菫さんは、訳ありのお嬢さん(長州に狙われているとか...)で、特別に屯所で女中として働かしてもらっている。
ちなみに菫さんと平助は、恋人同士。
心優しい菫さんと性格の悪い平助...二人が付き合った経緯は未だに分かっていない。
「チビ...」
「平助...さっきから何?言いたいことあるなら言ってよ」
「...?」
こんな狭い廊下で言い合いなんて勘弁してよね。
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