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吉田さんが屯所に訪れてから、約一週間が経った。
あの後、山崎さんに事情を話して直ぐに処置をしてもらい、沖田さんの傷は順調に回復しつつある。
だけど...病の方は回復するどころか徐々に悪くなる一方で、本人も部屋に引きこもる方が多くなってしまったようだ。
悪くなる一方というのは、私と斎藤様の関係も少しギクシャクしていて気まずい感じ。
最近、全然しゃべってない。
そこで私は、恋愛に関しては百戦錬磨だろうと思われる土方さんに相談するために部屋を訪れたのだった。
相変わらず書類整理で忙しそうな土方さんの隣に座ってボォーっとその端正な横顔を眺める。
目の保養だな。
「・・・」
「・・・」
この部屋には、ただ紙が擦れる音と外から聞こえる隊士達が稽古をする悲鳴じゃなくて...かけ声。
でもちょっと悲鳴っぽい。
確か...今日は、永倉さんだったか。
「...チッ、なんだクソガキ...俺に用がねぇんならどっか行け」
「相談にのってくれませんかね?」
私がそう言うと土方さんは、訝しげに私を見た。
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