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『ん?・・・あぁ、客達にはこちらが気にならないように魔法をかけてある。こやつらには、我の意思を邪魔する気は最初からないから気にするでない』
盗見に気づいたのか、魔王がニヤリと言葉を発する。
ルイはドキリとしながら、側近達に目をやれば、ニコリと笑みを返されただけだった。
『・・・わ、私にお話とは一体どのような・・』
『ああ、よいよい。普段通りに喋ってかまわん。本来竜族は、誇り高き一族と聞いている。魔王とはいえ、人型の魔物なんぞに畏る必要もないぞ。他の客どもも聞いとらんしな』
『え・・・んー、じゃあ、まぁ、遠慮なく。話しって何?』
『フフッ・・・では竜王、話しをしよう。なに、大したことではない』
自分の言葉を崩した瞬間、小さく笑った魔王に、ルイは驚きを覚え晒していた視線を魔王へと向けた。
(あ、やべ)
そこには、優しく細まった赤い紅い瞳があった。
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