魔王様、お呼びでしょうか?

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その瞳を見た瞬間に、心臓を鷲掴みにされたような錯覚に陥入る。 今は隠しているはずの、翼や尻尾まで痺れるような感覚に息が詰まり汗が頬を伝う。 (なッ・・んだ??これ・・・ッ) 『ッ・・・』 『ん?・・!あー、すまん。油断しておった』 ほんの僅かに息を乱したルイに、魔王は苦笑すると一度瞬きをする。 その瞬間フッと自分を縛り付けていた妙な感覚から解放され、ルイはホッと息をつく。 その様子にまた魔王は苦笑すると、ゆらりと玉座から立ち上がった。 『すまなかった。我の眼は少々特殊でな。・・・特に今は色々制御がきかん時期でな』 『・・特殊?・・時期?』 『まぁ、気にするでない。それよりも、話しなのだが』 (あれ?瞳の色が・・・さっきより暗い?しかも見ても平気だ。つか、魔王って思ったより小さいな) 立ち上がりより一層近づいてきた魔王を見下ろし、先程の不思議な現象も忘れてルイはその美貌をマジマジと見つめていた。 長い髪に見え隠れする白くキメの細かい肌。スラリと伸びた手足。引き締まった腰。 だが、女のように華奢でもなく一般的な人型の中では、多分高身長なのだろうその姿形。 極め付けは、その完璧な配置の顔の造形。
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