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(人型なのに・・・さすが魔王様ってか?)
竜族から見て、人型には美も醜も感じないはずなのだが・・・とルイは妙に感心する。
竜族の美醜は、翼や鱗の色艶、体躯の大きさなのだ。顔の造形などどうでも良いのだ。
ルイが魔王をジーっと見つめていると、魔王は1つ咳払いをしてズイっと指を1本立てて目の前へと翳す。
『話は簡単だ。お前にはある事をしてもらいたい。その対価としてお前達竜族の願いを1つ叶えてやる。どうだ?』
『えーと、竜族の願いって・・・人間界のドラゴン達を救い出してくれんのか??』
『いかにも』
今更だが、この世界は天界・人間界・魔界と別れている。
別れているといっても、それぞれの世界は“異界の扉”と呼ばれるもので繋がれており、一定条件を満たせばそれぞれを行き来する事が出来るのだ。
魔界の住人や天界の住人は、創世当時からお互いの存在意義を理解しながら、自由にその世界の渡来を行なっていたが、人間だけは無知で無力であった為にそうではなかった。
だが、千年程前から“異界の扉”を利用する者たちが出てきたのだ。力を得ても人間は未だ無知で、魔界や天界から生き物を召喚しては、奴隷のように使役したりしている。
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