一章 北の街で

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蒼穹達は来週 東京・横浜へ修学旅行に行く 大事な時期に とも思われるが 3年生になって早々に 楽しい想い出を作り 来るべき受験への士気を高めよう という配慮らしい 実際のところ 旅行先は梅雨シーズンで 旅費が安く済むのが学校側の本音 ただ生徒は知る由も無い 自由時間は横浜に移動した日の1時間程度であるが それでも蒼穹達にとっては 束縛からの解放であり 胸膨らませるのであった 学校に到着してからも 蒼穹と雫の周りでは授業の時以外は もっぱら修学旅行の話で持ちきりであった 「ねぇ! 雫達も自由時間一緒に回らない?」 「えっ!?  ええと・・・ど どうしよっかな 色々周りたい所があって・・・ 今日学校終わったら 蒼穹ん家でるるぶ見ながら決めようかと思ってたんだ・・・」 決まっていないのはウソだが 放課後の蒼穹宅での打ち合わせは本当の事である 「雫達も もし行くトコなかったら ウチラと混ざったらいいしょや~ ウチラは中華街行くんだよ」 「あ・・・うん じゃあ 一応検討事例に入れておくね」 『アニメイト』 という禁則事項を頑なに守り 雫はその場をやり過ごした
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