プロローグ

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深い霧がかった赤く染まった世界 そこを二人の人影が動いている 一人は少女、もう一人は男性 少女は男の人に手を引かれ その赤い道をひたすら走り続けていた 時に赤い景色は 生き物のごとく少女の腕に絡みつき 男性はそれを払いのけながら 出口と思われる道へと突き進んでいく 先の見えぬ出口 少女が不安そうに手をつなぐ男性を見ると その男性はやさしく微笑みを返し 握った手を更に強く ほどけぬように握り直し 見えぬ出口へひた走る 進んでいけば進んでいくほど 周りの景色は その動きを激しくし とうとう手をつないだ二人の間に 赤の景色は割って入り 二人を引き裂いた
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