81人が本棚に入れています
本棚に追加
熱い…
赤い部分に触れた右腕が悲鳴を上げる
それでも少女は男性の手を離さない
しかし男性は少女の苦痛に気付いたのか 自ら手をほどこうとする
そんな時
少女は後ろから来た別の誰かに抱きかかえられる
誰かはわからなかったが 少女はその誰かを知っていた
だから不安はなかった
少女を抱きかかえた者と男性が何か二言三言話を交わし
最後に男性は少女の頬をそっと撫ぜながら
悲しみと慈しみの笑顔を少女に見せると
男性は赤い景色の中にのまれていった
少女は男性には届かない手をずっと差しのべながら
赤い景色が
小さく見えなくなるまで
叫び続けていた・・・
最初のコメントを投稿しよう!