アオイがエナに惹かれた理由

一章 北の街で

『ピヨピョ♪　ピヨピヨ♪　ピピピピピ･･･』

ヒヨコの形をモチーフにした目覚まし時計が起床の時間を告げる

起こす主は寝返りはするものの、一向に起きる気配を見せない

そんな主を見かねたかのようにヒヨコの時計はアラーム音のボリュームを徐々に上げていく

さしもの主もヒヨコの大音量に

起き・・・ない

布団の中から手だけがニューっと伸び、ヒヨコ時計のいる辺りを探索し始めた

主は目覚ましスイッチをＯＦＦにする所業に出るようだ

しかし　目隠し鬼をしているようなもので　なかなかその手は目当てのヒヨコ時計を発見する事ができない

しかし　ようやく指先がヒヨコのお腹をかすめると
主はしてやったり！という感じでその周囲に的を絞り始める

見つけられるのも時間の問題

危うし　ヒヨコ時計！

主を起こす任務を達成できず　沈黙を余儀なくされてしまうのか
･･･

しかし　ココでヒヨコ時計の逆襲

主がヒヨコを指先でかすめることで　置かれている台座から半分ほど前に移動し、今にも落ちそうな状況

止められるのが先か？
落ちるのが先か？

ここで主は最後の勝負に出る

ヒヨコ時計を掴まんが為に
手を広げ狙いを定め･･･手を伸ばした！

『カスッ』

ヒュー・・・

『ゴチンッ！！！』

「ぃ・・・痛ぁぁぁぁいっ！！！！」

ヒヨコ時計の勝利であった