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「う~ 痛ちちち…」
その女の子は頭をさすりながら ようやく布団から起き上がった
「また・・・あの夢だ・・・」
彼女がその夢を見るのは初めてではなかった
しかし 彼女にはその夢が何を意味するのかはわからなかった
実体験なのか
架空の出来事なのか
しかし右手には小さな火傷の跡もある
実際のところ
彼女には小さい頃の記憶があまり無い
しかし彼女はさほど気にもしていなかった
周りの友達に聞いても ほとんどが小さい頃の記憶が曖昧だったからだ
成長すれば・・・記憶は曖昧になるもの
そう信じて疑わなかった
・・・
どちらにしろ あまり良い夢ではない事は確かで
彼女は その夢を振り払うかのように
両手で髪の毛をくしゃくしゃっと引っ掻き回すと
「ふわっ あぁぁぁぁぁぁ~・・・」
大きなあくびと背伸びをした
「よしっ!!!学校!学校!」
気持ちを切り替えるように
彼女はベッドから飛び上がると ハンガーにかけてある制服を手に取り 着替え始めた
北海道 旭川の隣にある小さな街
そこの中学校に通う
中学3年生の少女の一日が始まった
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