一章 北の街で

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「お父さん!お母さん! おっはよ~!!」 リビングに向かう階段を降りながら  彼女はリビングで朝ごはんの仕度をする母親 新聞を読む父親に挨拶をする 「おはよう 蒼穹」 「蒼穹!早くご飯食べちゃいなさい!」 「はぁい いっただきまぁす!」 両親から呼ばれたように 彼女の名前は蒼穹(アオイ)という ここ藤崎家で唯一の箱入り娘である 蒼穹は朝食のパンを口に入れながら 父親に問いかける 「おほうはん!ばいしゅうぼ おびばげばびがいい?」 「こら!蒼穹!はしたない! ちゃんと飲み込んでから話しなさい!」 母親から注意を受け モグモグ ごっくん 「・・・お父さん!来週の修学旅行 お土産何が良いっ?」 父親は少し考えたのち 「そうだな・・・江ノ島のタコせんべいでも買ってきてもらおうかな」 「へ~ そんなのあるんだ お父さん行った事あるの?」 蒼穹の当たり前ともとれる質問に 両親は一瞬顔を見合わせると 「何度か・・・行った事があるよ」 蒼穹も父親の返答に納得し 「そっかぁ・・・  う~~ 早く来週にならないかなっ!楽しみっ!!」 蒼穹は来週から修学旅行で東京・横浜に行く事になっていた 北海道から出たことがない蒼穹にとっては 待ち遠しくて仕方が無かった
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