第1話
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「体調は悪くないですね。」 俺は問診票を書き、病室をあとにした。 安藤由紀が俺に好感を持っているのは前から気づいていた。 今年で四十歳となる俺のどこが気に入ったのだろうか。優しい心も医者としての気遣いもない、この俺を。
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