堂本隆幸

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しばらく道のりに沿って車道を歩く。このまま歩いて行けばどこかに繋がるだろう。 突然、草むらの中から奇妙な声が聞こえてきて足を止めた。 「うう……うぅ」 うめき声だった。誰かが苦しんでいるのだ。なら助けないといけない。 隆幸は声のする草むらを覗きこんだ。 その瞬間、何かが飛びかかってきた。その勢いで後ろに倒れた。 「うわぁあーっ!」 化け物だった。あの時の化け物だ。これは人間を食らうのだ。先ほどたまたま見てしまったのだ。 これが人間を食らう姿を……。 これは人間と同じ形をしている。例えるならゾンビだ。ゾンビのような顔をしている。ただ、ゾンビとはひとつ違うとこがある。 それは……。 “見覚え”のある顔がこの化け物から突き出ている。ちょうど、下腹部の辺りからその見覚えのある顔が生えているのだ。 こいつは親友の正人。正人はこの化け物と合体してるのだ。手と足も肩と腰から生えている。
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