16人が本棚に入れています
本棚に追加
ドアノブに手をかけると簡単にドアは開いた。中を覗くとすぐそばに小さなキッチンが見えた。ダイニングテーブルには4つ椅子あり、テーブルの上にはごちゃごちゃと皿やコップなどが置いてあった。
意外にもキレイだった。いや、キレイとは言えないが、予想してたよりは物が散乱していなかった。
まるで先ほどまで人が住んでいたような、生活感溢れる部屋だ。
隆幸はためらないがらも、土足のまま部屋に入っていった。
いつでも逃げられるように。
キッチンの奥には、8畳ほどの居間があった。洋服は無造作に散らかり、カーテンレールにはハンガーが引っかけられており、白いシャツが干してあった。
ゴミ箱には紙ぐずや、チラシなどが捨ててあり、やはり先ほどまで人が住んでいたような錯覚に陥る。まるで自分が泥棒にでもなった気分だ。
最初のコメントを投稿しよう!