海が叫ぶ夜で

堂本隆幸

ふとカレンダーに目を向けた。なんの変哲もないカレンダーだったが、なんとそこには1999年と書かれていたのだ。1999年の11月。

どうやらここの住民はカレンダーの日付に×印をつけるらしく、23日まで印がつけられていた。だいたいの人は1日の終わりに×印をつけるから、今日は24日か。

1999年の11月24日。

なんでそんな昔のカレンダーが……？

しかしなにか思いあたることがあった。1999年11月24日…………って、たしか咎乘島が消えた日じゃないか！

もしかしてここは咎乘島なのか？

隆幸は大学ではミステリーサークルに所属していた。都市伝説を日々探し続けるという地味なサークルだ。もちろん咎乘島のことを研究したこともあった。

親友の正人と一緒に入った。理由は大学内でも美人と言われている桂美沙がいたからだ。

彼女は自分と同い年で美人だったが、かなりのオカルト好きで少し変わった性格をしていた。簡単に言えば不思議っ子だ。

まったくモテなかった。どうやら今まで彼氏が1度もできない、いわゆる喪女だった。