桂美沙

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美沙は3階まで駆け上がると、一番端にある教室へと向かった。 扉を開けて中に入るときに、化け物がまだ上ってきてないか後ろを振り向いて確認した。 もし入る所を見られてしまうと、すぐに追いかけられてしまうからだ。 中は普通の教室と何ら変わりはなかった。 ある一点を除いて……。 ヤバい。閉じ込められた。 美沙はそう思って、教室から出ようとしたがすでに化け物が廊下にいたので出れなかった。 この教室にはベランダがなかったのだ。 美沙は化け物がこの教室に入って来たときに、ベランダを通って、階段前の教室まで行き、この化け物を撒こうとしていたのだ。 それもすべて失敗に終わった。 美沙はペンダントを握りしめて目を閉じた。
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