京野ゆかり

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「お、追い払った?」 「ああ。ちょうど君がここで襲われているのに遭遇してね。俺が追い払ったんだ。安心していいよ」 「そ、そうだったんですか。ありがとうございます」 「警察として当たり前のことをしたまでだ。さあ、早く着替えな」 警察のおじさんは立ち上がると、そのまま近くの部屋に入っていった。見えなくなったところでゆかりも立ち上がった。 すると足に包帯がぐるぐる巻きにしてあるのに気がついた。なんだろう。痛みはない。 包帯を外してみたがなにもなかった。なんで包帯が巻いてあったんだろう? ゆかりはそのまま着替えを続けた。 「あの……着替え終わりました」 警察のおじさんが戻ってくると、包帯の取れた私の足を見て驚いた。 「なんか包帯が巻いてあったので取っちゃいました。なんだったんですかね?」 「あ、ああ……ケガしてたから、包帯巻いといたんだが……治ってるな。傷跡がない」
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