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カランコローン
『あら。いらっしゃい。暗闇の図書室へ。』
女の子が入ってくる。
今宵はこの子の恐怖かな。
「ねぇ。ここどこ?」
『暗闇の図書室ですよ。』
にっこりと微笑む。
多分見えてないでしょうけども。
女の子はオロオロしている。
今入ってきた出口へ繋がるだろうドアを開けようとする。
ガタガタッ
どうやら開かないようだ。
この子だねぇ…
「彼氏とデートの待ち合わせしてるのよ…
早く開けてよ!」
笑顔を崩さずにこういう。
『無理ですよ。あなたが帰るためには私が本を読み聞かせなければ…』
すると女の子は少し声を荒げる。
「え?なにいってんの!…何でよ!何であかないの!」
『やれやれ。
仕方ありませんね。あなた、名前は?』
「滝本優那よ。さぁ開けて!」
口元が上を向く。
『優那様。今すぐにそれは無理な相談です。さぁ、読み聞かせましょうか。』
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