16人が本棚に入れています
本棚に追加
『それは昔の噂です…』
「聞くなんて言ってない!!帰してよ!!」
…うるさい子ですね。
ずっと帰れなくなるのに。
『黙りなさい。この本を聞いてから喚けばいい!!』
すると女の子は静かになる。
咳払いを一つしてまた先ほどのセリフを言う。
『それは昔の噂です…
口裂け女は知ってますね…?
それはそれは子どもの恐怖を招いた噂。
だけどそれはほんの序の口だったんですよ…』
──────────────
「口裂け女ってしってるー?」
「知ってる知ってる!!マスクを外して『私、綺麗?』ていう人でしょー!!」
何気ない日常。何気ない休み時間。
「逃げる方法があるんだよー!!」
「マジ!?教えて!」
何気ない話し。何気ない噂。
「ぽまーど嫌いだから、ぽまーどって叫べば良いんだって!
ほかにはべっこう飴持ってたら口裂け女に投げるの!
好きだからすぐ飛びつくんだって!」
「あ。それともういっこあったよね!
確か『綺麗?』てきかれて『普通』て言えばいいって!!」
子どもは今話題の噂に花を咲く。
咲かせすぎて時間を忘れそうな位…
最初のコメントを投稿しよう!