「滝本 優那」

5/8
前へ
/124ページ
次へ
『かしこまりました。では… それは昔の噂です。優奈は休み時間にした口裂け女の話を信じませんでした…』 ──────────── 「バカバカしい。早く行くわよ。ぴーち。」 わんっ 犬と歩いている優奈がいます。 今は放課後… 「ぴーち。あそんでいーよ!」 わんわんっ! 公園で犬は走り回ります。 チョウチョを追いかけたりして遊んでいます。 少し寒さの残った春。今年初めてチョウチョを見つけたのか喜んでいる。 「ねぇ。」 不意に振り向くと、マスクをかけた女がいる。 優奈は一瞬に口裂け女の話が頭を通った。 しかし、それは杞憂だったらしい。 「楽しそうだね…」 私、綺麗?の言葉がでなかったから。 「さっき聞こえちゃったケド、 あの犬、ぴーちって言うの?」 私は頷く。 良かった。普通の女みたいだ。 「うん。…風邪?大丈夫?」 女は穏やかに微笑み、 「うん。ありがとう。大丈夫よ…。」
/124ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加