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「ねぇ。あの犬、可愛い?」
先ほどの穏やかな顔で聞いてくる。
「ううん。噛みつくし、すぐほえるし…」
「そう…」
優奈は一瞬女の目が怖くなった。
しかし、まばたきすると、ニコリとしていた。
気のせいだと続ける。
「でも、大切な家族なの。小さいとき一緒に寝たしっ!」
鋭い視線を感じて女の方をみる。
「クスクス。大切にしてるのね…
ねぇ。ぴーちちゃん…」
わん!
ぴーちは優奈の足元で、お座りをしていた。
優奈はびっくりして、
「もぉ。急に吠えないでよ。びっくりするじゃない!」
と叱ろうとしたら飛びついてきた。
ドサッ
「もぉ。しりもちついたじゃない。いたた…」
「クスクス。ぴーちちゃん…さよなら?」
わん!
「あ。またね!」
と振り返ると誰もいない。
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