序章

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しかしダリ語を理解出来る者は居なかった。勿論、イスラム戦士の部族など皆同じに見える。 「シャツ脱がすか?」 「やめときな、普通に殺してやれよ」 最後の1人の処遇にも差は無かった。5人がかりで死体を埋め、塹壕の中に戻る。 「使えそうな武器は有ったか? 弾だけでも貰っておけ」 義則と似た、しかし身長が低い茶髪の日本人が手際よく鹵獲した武器弾薬を選別させる。 「中国製の56式やAK-74を7.62mm規格にした改造銃なんかも有ります。使わない方が良いですよ」と選別する日本人も知識豊かで判断が速い。 山岳地帯には雪が積もり、低地にはミスマッチな砂漠と森が広がっている。塹壕は連絡壕としても機能しており、何本かの深い塹壕が上手い間隔で繋がる。 塹壕には三脚に載ったKPV重機関銃や、放熱スリットの無いPKM機関銃が置かれている。 全く無風で太陽が容赦なく不快感を高める、そんなアフガニスタンの僻地で戦っている彼らが、反体制派であるАвтомат7だ。
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