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朝。
目覚まし時計の鳴る音が聞こえる。
頭の上に手を伸ばし、ジリジリ鳴る音を止める。
「はぁ…」
朝が来てしまった。
窓の外を見ると桜がちり、夏に向けて木々が緑になりはじめていた。
二ヶ月前から私は中学生。
中学生になってから朝が嫌いになった。
それは、勉強がいやだったり、クラスに馴染めない、という人もいるかもしれない。
しかし、
私が嫌いな理由は……
もちろん、あい「美羽、おはよう」
……こいつだ。
「祐希、部屋に入る時はノックしてって言ってるでしょ」
「……」
無視ですか。
「それより、早く学校行こうぜ」
祐希が近づいてくる。
「ストップ。私まだ用意出来てないし、あんたと登校する気もないから」
まだ起きたばかりでパジャマのままなのに。
「…じゃあ下で待ってる」
私の家は2階建て。そして私の部屋は2階。どうやら玄関で待ってるつもりのようだ。
「や、だから一緒には行かないって」
時刻はまだ7時。
学校なんて15分もあれば着くのに。
「待ってるから」
そう言い残し部屋から出て行った。
「……もうっ」
急いで準備を始める。
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