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ワシは少し名の知れた貴族の家の息子だった。
貴族といっても、想像しているよりも貧しくて……そうやなぁ、孤児院寺バージョンを想像していただくと分かりやすいやろな。
ジパングっちゅう国は地方によるけど、ワシがいた所は煉瓦とか使うとる洋風の建物よりも木を使って作る木造住宅が多かった。特に寺。
そんな事もあってか、火事が多く、消防の人たちは大忙し。それでも、材料を変えんのは文化を大切にしたいっちゅう事やろうな。
火事の原因は分けて3つ。
1つ目は、誤って火をつけちまう。まぁ、寝煙草とかやるやつが多いなぁ。
2つ目は、鬱憤晴らしのために放火。いわゆる放火魔っちゅうヤツや。
そして3つ目、その家の財産目的に放火。金持ちの家はよくこれをやられる。まぁ、焼け残った財産を奪ってくセコいやり方や。
ワシの家も3つ目をやられ、ワシ以外の人間は家と一緒に燃えてしもうた。
聞きたくなかったらスルーしてくれて構わへんかんな。
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