3/4
前へ
/117ページ
次へ
「なんだよ颯太~不機嫌だなぁ。颯太も美咲ちゃんを説得してよ~」 中谷くんは私の手を離すと戸崎くんの肩を軽く揺すった。 「七瀬が困ってる。 ……七瀬、」 いきなり戸崎くんに呼ばれた。 「あっ、はい」 「急がなくていいから。京介に流されることない。 ただ、今サッカー部にマネージャーいないんだ。だからって訳じゃないんだけど、 京介が七瀬にマネージャーやってほしいって」 「そうなんですか……じゃあ少し……考えてみます」 "京介が" その言葉が引っ掛かった。 戸崎くんは私じゃなくても良いって事だよね。 そう感じた事実に無意識に気持ちが少し重くなりながらも、返事をした。 中谷くんは少し不服そうに戸崎くんを見て、そのあと私に、前向きに検討してみて!!と言うと戻っていった。
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加