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「なんだよ颯太~不機嫌だなぁ。颯太も美咲ちゃんを説得してよ~」
中谷くんは私の手を離すと戸崎くんの肩を軽く揺すった。
「七瀬が困ってる。
……七瀬、」
いきなり戸崎くんに呼ばれた。
「あっ、はい」
「急がなくていいから。京介に流されることない。
ただ、今サッカー部にマネージャーいないんだ。だからって訳じゃないんだけど、
京介が七瀬にマネージャーやってほしいって」
「そうなんですか……じゃあ少し……考えてみます」
"京介が"
その言葉が引っ掛かった。
戸崎くんは私じゃなくても良いって事だよね。
そう感じた事実に無意識に気持ちが少し重くなりながらも、返事をした。
中谷くんは少し不服そうに戸崎くんを見て、そのあと私に、前向きに検討してみて!!と言うと戻っていった。
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