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私が教室に行くと、私の姿を見つけた橋村千鶴がとことこと小走りでやって来る。
「美咲~おはよっ」
「千鶴おはよう」
千鶴は私が教室に入るなり、がしっと肩を掴んだ。
「ねぇねぇ!!さっきの人達誰?ちらっと見えたんだけど……超かっこよかったよね!?」
「見てたの?」
「ちょっとね。で?何話してたの?」
千鶴は目を輝かせながら聞いてきた。
私は朝の経緯を千鶴に話すと、
「やりなよ~。出会いがあるかも!?マネージャー私もやりたいな!!」
「じゃあマネージャー、一緒にやろうよ!!」
「だ~めっ!!私は陸上だもんっ」
「だよね……」
千鶴は陸上部に入っていて私は帰宅部。
だから帰りもバラバラで、千鶴は本当に陸上が好きみたい。
「でも何か新しい事やってみるのもいいんじゃない?」
「う~ん……」
私が悩んでいると、先生が教室に入ってきた。
HRの時も、授業中も私の頭の中は朝の事でいっぱいだった。
いつもの私なら、すぐに断ってたかもしれない。
でも、今回は………。
何でだろう。
そう考えたときに思い浮かんだのは戸崎くんだった。
クールで無愛想な感じ……だけど、優しかった……気がする。
本当は優しい人なのかもしれない。
そんなことで、私は一日中悩んでいた。
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