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「おい、颯太~。何してんだ、練習始まる………あれ?」
後ろから中谷京介の声が聞こえた。
京介は俺に近づくと、俺の目線の先を追った。
「あの子、美咲ちゃんじゃん」
「……美…咲?」
聞いたことがあるような、ないような。
「は!?お前知らねぇの?美咲ちゃん。七瀬美咲だよ。学校一美少女だっていう」
あぁ。
聞いたことはあった。
クラスが違うからもちろん接点はないけれど。
俺は納得したような顔を見せると、今度は京介が俺に疑問を投げかけた。
「何で泣いてるわけ?………あ、もしかして告白されてたのか」
「……うん。俺、さっきその現場見かけちゃったんだけど」
そう言うと、京介は、そうだったのか、と理解したように何度も頷く。
「何?どういうこと?」
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